いちごの基礎知識
いちごとその歴史
バラ科いちご属(Fragaria属)に属する多年草の小果樹で、自然界には20種ほどが知られている。
原産地はアメリカであり、コロンブスが北アメリカ大陸を発見した後、様々なヨーロッパ人が新大陸を渡り歩き、いちごの祖先をヨーロッパに持ち込んだとされる。1700年代中期にオランダにて初の交雑いちごができ、北米で改良を重ね、全世界へ広がったとされる。
私達が現在食しているいちごは元々自然界にはなく、品種改良により人工的に作り出したものを色々と交雑させて作りだしたものである。
日本でのいちごの歴史
日本には江戸時代末期にオランダ船によって伝わりました。しかし、そのときには定着せず、その後明治時代になり、農業の近代化のために欧米から様々な種苗が導入されました。明治30年代に入りフランスの品種が導入されたことで本格的な栽培が始まります。
いちご栽培が本格化するのは大正期になってからである。大正期から第二次世界大戦前には全国の様々な地方で現在のいちご栽培の基礎が始まったとされています。現在は、日本で確認できる品種の数は200種ほどあると言われています。また、毎年どこかの県が新品種と言われるものを発表しており、その様相はいちご戦争と言われるほど活発です。
現在のいちご栽培方法の基本の基本
ビニールハウスなどの温室を使わず、露地栽培で育て場合、いちごの収穫できる季節は5月から6月にかけてです。いちごは冬に冬眠し、春になると花が咲き、初夏になると果実をつけるバラ科の性質によるものと言われています。
ビニールハウス等の温室を使うと、冬眠期間を短くでき花を咲かす時期を早めることができるので、結果として12月等の普通ではできない季節にいちごを収穫することができます。また、路地栽培では収穫期間は3週間あまりですが、温室栽培は12月から5月まで長い期間収穫することができます。現在、我々が生食として食しているものは、ほとんどがこの栽培方法によるものです。
3月から9月にかけて、苗を増やし育て、9月の下旬に定植します。10月下旬ごろにビニールを伸長して温度を上げて、12月から摘み取りを開始します。収穫期間はこの東海地方の標準的な気候の推移で、5月までです。終了したら苗は廃棄して、また苗の増殖と生育です。
主な栄養成分と効能
(可食部100g当たり)
エネルギー=34Kcal
タンパク質=0.9g
炭水化物=8.5g
食物繊維(総量)=1.4g
ミネラル
カリウム=170mg
カルシウム=17mg
マグネシウム=13mg
鉄=0.3mg
銅=0.05mg
ビタミン
ビタミンA=18μg
ビタミン E=0.4mg
ビタミンB1=0.03mg
葉酸=90μg
ビタミンC=62mg
イチゴの特徴は、ビタミンCとビタミンB群の葉酸が豊富なことです。ビタミンCの含有量は100gあたり62mgと果実類ではトップに入ります。イチゴ1粒20gとして1日8粒食べれば1日に必要とされるビタミンCが摂取できてしまいます。ビタミンCには疲労回復、免疫力の向上、感染症の予防、肌トラブルの改善、貧血予防、生活習慣病の予防効果があります。
その他の栄養成分は、妊婦さんに必須と言われれる葉酸、ペクチンと言われる水溶性の食物繊維、ミネラルの一種のカリウム、虫歯予防に効くキシリトール、抗酸化物質のフラボノイド、ポリフェノールの一種のアントシアニンなどが豊富に含まれています。